【ローマ13日共同】中川昭一財務相兼金融担当相は13日、ガイトナー米財務長官とローマで会談し、国内産業を過度に優先する保護主義的な動きを断固として阻止すべきだとの認識で一致した。日本のバブル崩壊後の教訓を踏まえ、世界経済の安定に向けて緊密に連携していくことも確認した。
財務相は、米景気対策法案に盛り込まれた米国製品を優遇する「バイ・アメリカン条項」に懸念を表明。1930年代に拡大した保護主義が経済悪化や第2次大戦につながったとして「保護主義には断固として強い決意で対抗しないといけない」と強調した。長官は「強く同意する」と述べ、世界貿易機関(WTO)のルールに則した運用を約束した。
ガイトナー長官は、オバマ政権の景気対策や追加金融対策を詳細に説明。今後2年程度は経済下支えに注力する一方、財政赤字拡大への懸念に配慮して5−10年間を見据えた財政健全化策を議会と調整する意向を明らかにした。中川財務相は日本経済について「急速に厳しくなっている」との見解を示した。
財務相によると、会談で為替相場の議論は出なかった。