キヤノン関連施設工事をめぐる脱税事件で、工事の受注を狙った大手ゼネコン鹿島が大分市のコンサルタント会社「大光」社長大賀規久容疑者(65)側の要求に応じて支払った「仲介手数料」は割高なことが多く、受注額の5%になるケースもあったことが14日、関係者の話で分かった。
大型工事受注の際、コンサルタント会社に渡す手数料は通常、受注額の1−2%程度とされており、鹿島は“相場”の2倍を超える要求にも対応しようと裏金の捻出を始めた可能性が浮上。東京地検特捜部は不正な資金工作の経緯について捜査している。
関係者によると、大賀容疑者は鹿島に対し「手数料を出してくれたら、キヤノン関連工事を受注できるようにする」などと持ち掛けていたが、その際、受注額の3−5%の手数料を求めたことがあったという。
大型工事受注の際の仲介手数料は通常1−2%で、経費として認められるのは最大3%程度(複数のゼネコン関係者)とされる。
このため鹿島は、正規の手続きで準備できる手数料を超える分については、複数の下請け業者に水増し発注し、上乗せ分を還流させるなどの方法で捻出した裏金で賄うようになったという。