自衛隊鳥取地方協力本部(地本)が民間人を対象に研修を実施した際、余分に分担金を徴収する手口で裏金を作っていたとして、防衛省は13日、前・鳥取地本本部長の堀浩明・1等陸佐(48)(現・中部方面総監部付)を停職40日の懲戒処分とし、同地本副本部長の事務官(60)も戒告とした。
自衛隊の地本を巡っては長野地本上田地域事務所でも先月、約150万円の裏金作りが明らかになったばかり。鳥取地本では内部告発をきっかけに、この事実が発覚し、自衛隊は昨年10月、堀1佐を本部長から更迭したが、異動は公表していなかった。
発表などによると、堀1佐は昨年3月、1泊2日の日程で民間人など60人を自衛隊の研修に参加させる計画を立案。移動の交通機関を、電車からバスに切り替えることで、1人当たり8000円を余分に徴収し、浮いた約48万円を裏金としてプールした。この際、部下の副本部長が、違反だと指摘しても堀1佐は聞き入れなかった。堀1佐は「公務に使うためだった」などと釈明しているという。
地本の裏金作りを巡っては、2006年に埼玉地本と神奈川地本で発覚したことをきっかけに、同年12月、当時の陸上幕僚長名で禁止する通達が出ていた。
自衛隊では通常、1佐以上の幹部の異動を公表しており、堀1佐の更迭人事を発表しなかったことについて、陸上幕僚監部広報室は「官報に掲載されている。不定期の異動なので公表しなかった」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090213-OYT1T00899.htm