毎年厳寒期に凍り、壮大な姿で観光客を楽しませる山形県酒田市升田の「玉簾(たますだれ)の滝」が今年、暖冬の影響で凍っていない。
酒田観光物産協会は3年連続の“不凍滝”になりかねないと観光客の出足にやきもきし、「今週末には氷瀑のライトアップも予定しているのに」と心配している。
滝は落差約63メートル、幅約5メートルで、一直線に流れ落ちる滝では県内随一。11日現在、周囲に高さ3〜4メートルほどの長い氷柱ができているものの、滝自体はごうごうと流れ落ちている。
同協会によると、2007、08年も滝の左右の端は凍ったが、完全な氷瀑とはならなかった。真冬日が3〜4日続き、風が吹くと凍るとされ、凍った滝を写真に収めようと観光客が来るが、がっかりして帰ってしまっている状況という。
山形地方気象台によると、酒田の2月上旬の平均気温は3・0度と平年より2・0度も高い。もっとも今年の県内は、寒気が一時的に入ることはあっても冬型の気圧配置が持続しない。
ライトアップは14、15日の午後6時から午後9時まで。駐車場から滝までの約500メートルの雪道には雪灯籠(どうろう)やキャンドルが灯される予定など準備万端といったところだが、同協会は「こればっかりは天まかせです」と話している。