岐阜県養老町の食肉卸販売会社「丸明」の飛騨牛偽装事件で、肉の等級表示を偽ったとして不正競争防止法違反の罪に問われた前社長吉田明一被告(66)の初公判が13日、岐阜地裁(宮本聡裁判官)で開かれ、吉田被告は起訴事実を認めた。
起訴状によると、吉田被告は2007年10月から11月にかけ、実妹の幹部社員(56)らと共謀し、ビールメーカーの委託を受けた広告制作会社に懸賞用として飛騨牛千箱、計約600キロを販売した際、全商品が最上級の牛肉であるかのように偽装。最高級の「5等級」のシールを4等級の肉の箱に張って納入した。
検察側は冒頭陳述で、吉田被告が薄利多売の経営方針を採る一方、「見栄えを良くすれば客が付く」と考え、等級偽装で売り上げを伸ばしていたと指摘。
広告制作会社との取引では、事前にサンプルとして渡した牛肉には5等級を使用して信用させ、実際に納入した商品には4等級を混入。5等級の表示で出荷した千箱のうち、少なくとも543箱が4等級だったことを明らかにした。
丸明をめぐっては、昨年6月、従業員などの証言で基準に満たない肉を飛騨牛と偽って販売していたことが発覚。国と県の立ち入り調査で、加工日の改ざんや豚肉や飛騨牛以外の和牛の産地偽装も明らかになり、県が営業自粛を指導した。
岐阜県警は7月、不正競争防止法違反の疑いで同社を捜索。12月に吉田被告ら3人を逮捕し、岐阜地検が吉田被告を起訴。実妹ら2人と、法人としての同社が同法違反の罪で略式起訴され罰金刑が確定した。
(2009年2月13日18時39分 スポーツ報知)
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