【シドニー=岡崎哲】山火事で180人以上が死亡したオーストラリアで、政府が住民に避難勧告を直接伝える「早期警戒システム」を全国的に導入することを検討しながら、2000万豪ドル(11億7700万円)の費用負担やシステムの選択で各州と調整がつかず、導入を見送っていたことが13日分かった。
豪州紙オーストラリアンが、ビクトリア州政府の2007年12月当時の内部文書として伝えた。
システムは、災害の危険が予想される地域の家庭などに、消防当局が電話や電子メールなどで一斉に避難を勧告する仕組み。今回、死者の9割以上は逃げ遅れが原因とみられており、同紙は「導入されていれば犠牲者を大幅に減らせたはずだ」と批判している。豪州政府は導入を急ぐ方針だ。