【バンコク=佐藤昌宏】タイのアピシット首相は13日放送された米CNNのインタビューで、タイ治安当局がミャンマーから脱出して来たイスラム系少数民族ロヒンギャ族を虐待したとされる問題について、「(虐待を)信じるに足る理由がある。当事者が明確になれば、釈明を求める」と述べた。タイ側が、虐待を事実上認めたのは初めて。
タイ治安当局は1月、タイ沿岸に小舟でたどり着いたロヒンギャ族約1000人に対し、一部に暴行を加えたほか、舟からモーターを外し、食料や水をほとんど与えず沖合に放置したとして、関係者から非難を受けている。これに対し、タイ政府は事実関係を否定してきた。
ただ、首相は「多数のロヒンギャ族が押し寄せたので、近付けないようにしようとしたのだと思う」と当局をかばった。