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2009年02月13日(金) 12時47分

米商務長官の指名を辞退、重要ポストで4人目読売新聞

 【ワシントン=岡田章裕】米商務長官に指名されていたジャッド・グレッグ共和党上院議員は12日、記者会見で指名を辞退することを明らかにした。

 オバマ米大統領は今月、指名辞退に追い込まれたビル・リチャードソン・ニューメキシコ州知事に代わる候補として指名していた。重要ポストの指名辞退は、4人目となり、オバマ大統領にとって大きな痛手となりそうだ。

 グレッグ議員は記者会見で、「私は財政保守主義者だ。閣僚に加わるのは難しくなった」と巨額の景気対策で国の財政が悪化することへの懸念が辞退の理由と説明した。10日の景気対策法案の採決も棄権していた。

 ただ、今回の辞任の背景として指摘されているのが、商務省が管轄する人口などを調べる国勢調査の問題だ。調査結果は、選挙区の区割りや予算配分などに反映されるため、人口移動が激しいヒスパニックや黒人などマイノリティー(少数派)の割合が多い地域への影響が大きい。米メディアによると、マイノリティーから、グレッグ議員が、これまで人口調査を巡って、マイノリティーに不利な判断をしてきたとみられており、商務長官就任への懸念が高まっていたという。

 AP通信によると、オバマ大統領は、こうした懸念に配慮し、国勢調査権を別の人物に管理させるよう検討したが、グレッグ氏がこうした経緯に不満を抱いたとしている。

 グレッグ議員の指名は3人目の共和党員の閣僚として、オバマ政権が超党派で国政にあたることを国民に印象づける狙いがあった。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090213-OYT1T00525.htm