鳩山邦夫総務相は13日、日本郵政の宿泊保養施設「かんぽの宿」など79施設の一括売却問題で、同社が落札者のオリックス不動産(東京)に契約の白紙撤回を申し入れ、了解を受けたことを明らかにした。同日午後、日本郵政の西川善文社長と総務省内で会談後、記者団に説明した。会談で、西川社長は自身の進退問題については言及しなかったという。契約解除について日本郵政とオリックス不動産は16日にも発表する。
「かんぽの宿」の一括売却計画は振り出しに戻る。今後は、総務相が不透明と指摘した一連の入札手続きなどをめぐり、西川社長の責任と、かんぽの宿の売却方法などが焦点となりそうだ。
総務相によると、西川社長は9日、オリックスグループの宮内義彦会長に契約解除を申し入れた。これに対し宮内氏は「仕方がない」と了承した。契約撤回に伴う違約金は生じないという。
総務相は会談で「宮内氏が撤回をのんだのは潔いと思う。西川社長には(疑惑の)解明の責任があり、すっきりさせるまで一定の役割を果たしてほしい」と述べ、引き続き、詳細な入札の経過など実態解明を求める方針だ。
西川社長はまた、社内に設置を準備していた不動産売却についての「検討委員会」のメンバーとして、弁護士と公認会計士、不動産鑑定士から内諾を得たことを報告。総務相は「われわれから見て非常に第三者的な人物だ」と評価した。
かんぽの宿をめぐっては、昨年末に日本郵政が実施した入札で、オリックス不動産が79施設を約109億円で落札。しかし、総務相が「入札の経緯が疑念だらけ。2400億円の取得額に比べて安すぎる」などと批判し、売却に伴う認可を拒否すると主張していた。
(2009年2月13日18時39分 スポーツ報知)
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