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2009年02月13日(金) 12時38分

宗教法人が岩永元農相側に6千万献金、報告書に不記載読売新聞

 自民党の岩永峯一(みねいち)元農相(67)(衆院滋賀4区)が代表を務めていた「自民党滋賀県第4選挙区支部」(党第4支部)に、地元の宗教法人「神慈秀明(しんじしゅうめい)会」(本部・滋賀県甲賀(こうか)市)が2003年と05年に計6000万円を献金したことを、同会が明らかにした。

 党第4支部の政治資金収支報告書にはこの献金に当たる記載はなく、政治資金規正法に違反する疑いがある。この問題で自民党幹部は13日、報道陣に対し、金銭のやりとりがあったとしたうえで、「(岩永氏)本人は借用書か領収書を書いたと言っている」と話した。

 読売新聞の取材に対し、岩永氏の地元秘書は同日、「弁護士と対応を協議している」と話している。

 同会によると、03年8月4日と05年9月6日に、それぞれ3000万円を小切手で提供し、党第4支部への献金として税務処理したという。ともに総選挙の前だった。同会広報室は「献金は党第4支部から依頼された。岩永氏側も適切に処理したと思っていた」としている。

 旧信楽(しがらき)町(現・甲賀市)の町有地売却を巡り、昨年5月に元町助役が受託収賄容疑で逮捕された事件に絡んで、町有地を最終的に購入した同会が関係先として県警から捜索を受けた際、同会は党第4支部名で発行された3000万円分の領収書などを任意提出した。「何枚あったかは確認がとれない」という。捜査関係者によると、銀行で保管されていた小切手2枚には、換金されたことを示す裏書きがあったという。

 岩永氏は1993年〜04年に、同会の関連財団「秀明文化財団」の理事を務めている。

 政治資金規正法では、政治団体に年間5万円超の寄付をした者の氏名や住所などを収支報告書に記載することを義務づけており、不記載や虚偽記載の場合、禁固5年以下または罰金100万円以下の罰則がある。

 岩永氏は旧信楽町議や県議を経て、96年の総選挙で初当選し、4期目。小泉政権の05年8〜10月に農相。昨年9月、健康不安などを理由に次期衆院選には立候補せず引退することを表明しており、党第4支部の代表を退いている。滋賀4区には岩永氏の三男(35)が後継として立候補する予定。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090213-OYT1T00470.htm