国内の主要生命保険会社9社が13日までに発表した2008年4−12月期の業績報告によると、含み益が08年3月末に比べ、計約5兆3700億円減少し、財務体質が急速に悪化した。世界的な金融市場の混乱による株価下落や円高が要因で、三井生命保険など3社が赤字に転落した。
三井生命は外国証券や証券化商品の損失がかさみ、1060億円の純損失。一般企業の営業利益にあたる基礎利益もマイナス212億円となった。朝日生命保険も国内株式などの下落で、純損失が1324億円の赤字だった。T&Dホールディングスも475億円の赤字に転落。
有価証券評価損は9社で合計約1兆8500億円。この結果大幅赤字となることを避けるため、富国生命保険を除く8社が株価下落に備えた準備金を取り崩した。特に日本生命保険(4700億円)や第一生命保険(6131億円)は多額の取り崩しを迫られた。
ただ、各社とも保険金の支払い余力を示すソルベンシー・マージン比率が財務が健全性を示す200%を超えた。明治安田生命保険、ソニー生命保険、富国の3社は1000%以上を確保した。