日立製作所と三菱電機が出資する半導体大手、ルネサステクノロジ(東京)の労働組合が、今年の春闘で賃上げ要求の見送りを決めたことが13日、分かった。電機メーカーの労組でつくる電機連合は賃上げ4500円以上の統一要求を決めているが「統一闘争」からの離脱は異例で、今春闘で表面化したのは初めて。沖電気工業などの労組が追随する可能性もある。
賃上げをめぐり労使間で激しい攻防が予想される中、電機や他産業の各労組が練る交渉戦略に影響を与えるのは必至だ。
世界的な景気悪化の影響で販売不振や円高が電機各社の経営を直撃しており、ルネサスの2009年3月期の連結純損益は2000億円規模の赤字となる見通し。会社側に賃上げ要求に応じる余裕はないと判断した。