【ニューヨーク12日共同】トヨタ自動車は12日、販売が急減している米国の6工場で働く約1万2000人を対象に、4月ごろからワークシェアリングを導入すると発表した。昨秋以降の世界景気の急減速による自動車不況への対応。トヨタとしては世界で初めての導入という。
米市場で販売シェアの拡大が続くトヨタには、日米自動車摩擦の再燃を回避する狙いもあり、「雇用を最大限守る」(幹部)方針。ワークシェアで労務費抑制を図り、人員削減を避けたい意向で、海外に拠点を置く他の日本企業にも影響を与えそうだ。
対象は、ケンタッキー州など3つの自動車組立工場を含む計6工場。これまでの2週間80時間労働を、同72時間に短縮し、賃金も同時間分に減らす。
国内の非正規労働者の削減などに加え、海外でのワークシェア導入で、業績悪化によるトヨタの厳しい経営環境があらためて浮き彫りになった。
またトヨタは北米の全従業員の賞与や幹部社員の給与を削減するほか、早期退職制度も導入する方針。4月から5月にかけて北米組立工場での操業休止日を数日間追加し、減産をさらに進める。