「かんぽの宿」の売却をめぐる問題に絡み、日本郵政グループの持ち株会社、日本郵政の西川善文社長(70)が退任する意向を固め、後任に元郵政事業庁長官の団宏明副社長(61)=郵便事業会社社長を兼任=が昇格する方向で調整に入ったことが、12日分かった。
鳩山邦夫総務相が12日の衆院本会議で西川社長の任命責任に言及、「日本郵政は100%国が株を持っているから政府に責任がある。現在報告を求めており、その答えをみて判断したい」と進退を含めた責任問題を指摘していた。
6月の株主総会で、日本郵政の全株を保有する政府の了承を得て正式に決める。3月末での退任もあり得る。
「かんぽの宿」の売却をめぐる問題で鳩山総務相が「入札経緯が不透明」と批判するなど逆風が強まっている上、与野党内に郵政民営化の見直し機運も高まり、自ら身を引き事態の収拾を図るべきだと判断したもようだ。
西川氏は旧住友銀行と三井住友銀行の頭取を歴任し、2006年1月に発足した民営化の準備企画会社、日本郵政の初代社長に就任した。07年4月には旧日本郵政公社の生田正治元総裁の退任に伴い、公社総裁も兼務。同年10月の民営化から現職に就いていた。
(中日新聞)