JR東日本が信濃川発電所(水力、新潟県小千谷市、十日町市)で許可された量よりも多く違法に水を取っていた問題で、国土交通省北陸地方整備局は13日、故意のプログラム改ざんがあり河川法違反に当たるとして、同発電所の水利権取り消しをJRに通知した。
同社は「事態を重く受け止める」として、清野智社長らを処分する方針を明らかにした。国交省は、経済産業省などと協議し取り消し時期を決める。
JR東日本によると、信濃川発電所は同社の使用電力量の22・9%を占め、主に山手線など首都圏の電車向けに使われている。
水利権が取り消されれば、再び許可を得るまで同発電所の操業はできない。国交省はJRが地元と話し合い、理解が得られるまでは再許可をしない方針だが、13日の記者会見で「山手線など重要な列車の運行にもかかわってくるため、電力逼迫時には暫定的な許可もあり得る」と説明。
清野社長は電車運行への影響について「川崎火力発電所をフル稼働させ、東京電力と(融通について)協議するなどして最大限努力したい」と話した。
国交省によると、JRは2002年から08年の7年間、取水量を測るプログラムを改ざんして常に超過取水。延べ約3億1000万立方メートルを違法に取水していた。
国交省によると、発電所の水利権取り消しは2007年、違法取水で東京電力塩原発電所(栃木県)が処分されて以来2例目。