広島市で2005年、小学1年の女児が殺害された事件で殺人、強制わいせつ致死などの罪に問われたペルー人、ホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告(37)の上告受理申し立てについて、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は13日までに、申し立てを認め、審理に入る決定をした。
2審は「審理不十分」として1審の無期懲役判決を破棄したのに対し、弁護側は「事前に証拠を絞り込む公判前整理手続きの解釈を誤った」と主張。5月の裁判員制度実施を前に、迅速で分かりやすい審理のため導入された同手続きをめぐり、最高裁が何らかの初判断を示すとみられる。
1審広島地裁は5日連続の集中審理の後に判決を出したが、2審広島高裁判決は、犯行場所の特定につながる可能性のある被告の供述調書を証拠として調べなかった点で「公判前整理手続きに不備がある」と指摘。
弁護側は、供述調書の審理を重視する高裁の判断は、公判廷での立証活動を充実させるための公判前手続きの在り方に反すると批判している。