運送会社から鯨肉を盗んだとして、窃盗罪などで起訴された環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」メンバー、佐藤潤一(32)、鈴木徹(42)両被告の公判前整理手続きの第1回協議が13日、青森地裁(渡辺英敬裁判長)であり、弁護側は鯨肉の持ち出しについてあらためて違法性を否定した。
弁護側によると、鯨肉を両被告側の所有物として利用する意思があったかどうかや、鯨肉の持ち出しが正当行為に当たるかなどが争点で、初公判は6月以降の見通し。
弁護側は協議終了後に記者会見し、2人の持ち出しについて「捕鯨船乗組員の横領行為を明らかにするのが目的だった」と述べ、無罪を主張した。佐藤被告も「鯨肉の横領があったかどうか、裁判で議論してほしい」と訴えた。
起訴状などによると、2人は英国人男性と共謀し、昨年4月16日、西濃運輸(岐阜県大垣市)青森支店の配送所に無断で侵入。調査捕鯨船乗組員が北海道函館市の自宅などに宅配便で送った鯨肉約23キロ(時価約5万9000円相当)の入った段ボール箱1箱を盗んだとされる。