水俣病未認定患者救済問題をめぐり、与党プロジェクトチーム(PT、座長・園田博之衆院議員)は13日、東京都内で会合を開き、原因企業チッソ(東京)が要望していた同社の分社化に合意した。
分社化と救済策の内容を盛り込んだ特別措置法案を3月上旬にも議員立法で今国会に提出する方針も決めたが、一部被害者団体や野党の反対も予想され、全面解決にはなお課題が残りそうだ。
法案には救済対象者を「水俣病の被害者」と明記する方向。水俣病の最終解決であることも書き込み、救済策は3年以内に完了するとした。
園田座長は公害健康被害補償法による水俣病指定地域を解除し、新たな患者認定を打ち切ることについて「最終的に、すべて終わったら求める」と述べた。
自民党の作業チームがまとめた分社化構想は、液晶など収益を上げている事業部門を子会社として分離。子会社の株売却益を補償や公的債務返済に充てる基金に積み立て、親会社チッソは清算するとしている。
PTは、チッソ分社化後の子会社株の売却は、救済の終了と市況の好転まで3年程度は凍結し、その間は、チッソが負担する一時金を国などが支援すると明示した。