中国での遺棄化学兵器処理事業をめぐり、発注元の内閣府に経費を過大請求、計約3億円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた大手建設コンサルタント「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)の元社長多賀正義被告(63)ら4人の公判が13日、東京地裁(園原敏彦裁判長)であり、検察側は多賀被告に懲役3年6月を求刑した。
元関連会社社長遠藤博之被告(69)らほかの元幹部3人の求刑はいずれも懲役2年。4人とも起訴事実を認めており、弁護側は寛大な判決を求めて結審。判決は3月24日に言い渡される。
論告で検察側は「国に多額の損害を与え、日中の外交面からも重要な事業を長期間中断させた責任は重い」と指摘した。
起訴状によると、多賀被告らは2004年度事業で本来請求できない人件費など約1億4100万円を国に水増し請求。多賀被告を除く3人は05−06年度も過大請求して約1億5700万円を詐取した。
多賀被告は、ベトナムでの政府開発援助事業をめぐる不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)罪にも問われていた。