京都府宮津市が土地開発公社に先行取得を委託した土地の買い取りをめぐり、徳田敏夫前市長に損害賠償を求めた住民訴訟の差し戻し控訴審判決で、大阪高裁は13日、ほぼ請求通り約4200万円を市へ支払うよう命じた。
大和陽一郎裁判長は判決理由で「取得は不要で、価格も不当に高額だ」と指摘、前市長の指揮監督義務違反を認めた。
1、2審は住民側が敗訴したが、最高裁は昨年1月、「委託契約が合理性を欠くなどした場合、買い取りは違法」と判断し、審理を差し戻した。
判決によると、宮津市は1996年、丹後地区土地開発公社に、京都府が計画した「丹後リゾート公園」予定地の地権者のうち代替地を希望する3人用に用地取得を委託。公社は同年、市内の土地を計約3800万円で先行取得し、市は2002年、利息を加えた約4200万円で買い取った。
判決で大和裁判長は、3人とは別の地権者が買収交渉で、予定地外の土地買い取りを要求したため、「市は要求に抗しきれず、3人の代替地用地として取得することにした」と指摘した。