社会保険庁は13日、全国計63カ所の社会保険病院と厚生年金病院の整理・売却の進め方について指針案をまとめた。個別の病院ごとに売却を進めるが、複数の病院を一括して売却することも検討する。自民党の厚生労働関係議員の会合に示し、大筋了承された。
各病院の保有主体は昨年10月、国から独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に移ったが、RFOは来年9月に解散予定の時限的な法人で、病院の将来に各地で不安の声が上がっていた。指針案はRFO解散時点でも売却先が見つからない病院に関し「引き続き新たな運営形態を検討」としており、すべての病院を存続させる可能性に含みをもたせている。
舛添要一厚生労働相は月内にも具体的な売却方法をRFOに指示する。
指針案は、地域の医療体制を損なわないことを前提に、救急と産科、小児科、災害対応、へき地医療の5機能を重視。病院ごとの機能特性の維持を売却条件とした。赤字幅が大きい病院は単独では買い手が見つからない懸念もあり、黒字の病院とセットで一括売却することも視野に入れる。