全国農業協同組合連合会(JA全農)は13日、収量が多いが食用には向かないコメを原料に、ガソリン代替燃料のバイオエタノールを試験的に製造している新潟市のプラントを報道陣に公開した。昨年末に完成したプラントは、1月中旬から試験運転を始め、12日にエタノールの製造に成功したばかり。
製造方法は酒づくりと似ていて、プラントはコメの粉砕や糖化、発酵、蒸留などを行うステンレス製の設備や多数の配管からなり、まるで化学工場のようだ。発酵槽からは、日本酒のような甘い香りが立ち込めていた。
今後は本格稼働に入る予定で、年間生産目標は1000キロリットル。3月18日からは、製造したバイオエタノールを3%程度ガソリンに混合し、新潟県内の農協系列スタンドで販売する。価格はガソリンと同じに設定するという。
原料に使っているコメは、県内約360の農家が2008年度、食用米生産の合間を縫って休耕田で栽培した品種で約2000トン。巻口秀彦工場長は「休耕田が減れば農家が思い切りコメづくりができる。誇らしい思いで取り組んでいる」と話した。