会社の破産申し立て処理を怠り、債権者に配当されるはずの財産を失わせたとして、テレビ出演などで知られる石丸幸人弁護士が代表で債務整理を専門とする「アディーレ法律事務所」に対し、会社の破産管財人の弁護士が約500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は13日、請求通り支払いを命じた。
針塚遵裁判官は「破産申し立てを受任、債権者に通知した弁護士には速やかに手続きをとり、管財人に引き継ぐまで財産の散逸を防ぐ法的義務がある。印鑑や通帳を預からずに約2年間申し立てを遅らせたことは重大な過失だ」とし、賠償責任を認定した。
判決によると、同事務所は2005年12月、東京の衣料品卸売会社から破産申し立ての依頼を受けたが、08年1月まで申し立てをせず、会社がほぼ全財産の約1000万円を使うのを放置した。
管財人はうち、社長の報酬や同事務所への弁護士費用など約500万円が不当な支出と主張、判決も賠償額として認めた。
石丸弁護士は報道情報番組のコメンテーターなどとしてテレビ出演している。