岐阜県養老町の食肉卸小売業「丸明」の飛騨牛偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪に問われた前社長吉田明一被告(66)の初公判が13日、岐阜地裁(宮本聡裁判官)であった。罪状認否で吉田被告は「(間違い)ありません」と述べ、起訴内容を認めた。
起訴状などでは、吉田被告は2007年10月中旬から11月中旬まで、4等級を含む飛騨牛1000箱(1箱600グラム)に格上の「飛騨牛最上級品5等級」のシールを張り、大手ビール会社の懸賞品として取引先の広告制作会社に販売したとされる。
飛騨牛偽装事件は昨年6月に発覚。7月に岐阜県警が不正競争防止法違反容疑で丸明本社工場などを捜索し、吉田被告が社長を辞任した。県と農林水産省も7月に日本農林規格法違反などで行政指導し、丸明は9月まで営業を自粛した。県警は12月、不正競争防止法違反の疑いで吉田被告を逮捕した。
幹部社員の妹(56)と前常務の次男(38)、法人としての丸明は、同法違反罪で罰金の略式命令を受けている。
(中日新聞)