外国人居住者が人口の一割を占める東京都港区で、住民らによる初の国別対抗スポーツ大会「ワールドアミティゲームズ」(国際友好大会)が十四日、区立六本木中で開かれる。初回の今回の競技はバレーボールだけだが、二〇一三年の東京国体や都が招致運動中の一六年東京五輪を見据え、競技を増やすなどして市民レベルの“ミニ五輪”開催を目指す。 (松村裕子)
大会の発案は、区内でスポーツの普及活動を続ける特定非営利活動法人(NPO法人)「ClubTom」。昨年十二月に開いたバレーボール大会に参加した在日中国人チームから「日本であまり試合に出る機会がない」という声を聞き、「他にも試合をしたい在日外国人は多いはず」と企画。協力者を募り、今大会の実行委員会が発足した。
第一回となる今大会には、中国やインドネシア、カナダなど五カ国と日本も含め、子どもから大人まで男女混合の八チーム、約百人が出場予定。予選と順位決勝戦で一チームが数試合戦う。試合後は区内のホテルで表彰式と親睦(しんぼく)パーティーを開く。
出場する中国チームの崔文峰さん(31)は「日本やほかの外国の人と助け合って、日本で楽しく生活できるきっかけになれば」と、大会に胸を膨らませる。
実行委は競技を広げ末永く大会を続ける方針で、八月に開催予定の次回は、フットサルや綱引き、卓球など新競技も検討する。実行委事務局のNPO法人理事、田中伸篤さん(35)は「初めて会った人も言葉の通じない人も一緒に楽しめるスポーツで交流の輪を広げたい」と話す。
人口約二十二万人の港区には、多い順に米国、韓国・北朝鮮、中国などの外国人計約二万二千人が居住。国際色豊かな町、六本木を抱え、区外から訪れる外国人も多い。
外国人居住者が人口の一割に達する自治体は東京二十三区の中では港区と新宿区だけ。全国的にも少なく、実行委は「全国に先がけた試みではないか」と期待。国際都市を体感できる町づくりにもつながりそうだ。
(東京新聞)