海上保安庁が、導入から30年以上たち老朽化した国産機YS11などの後継機として、ボンバルディアDHC8−Q300を8機導入することになり、最終的な整備を受けていた神奈川県大和市の格納庫で13日、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社からの引き渡し式が開かれた。
Q300は全長約26メートルの双発プロペラ機で、1機約42億円。同型機は旅客機として国内線に全日空グループなどの6機が運航されている。旅客機の座席数は約50席。海保機は機内に捜索用機材などが装備されているため、32席となる。
3月までに那覇航空基地に2機、東京・羽田航空基地に1機を配備。現在YS11がある北海道・千歳航空基地などにも、2009年度以降に配備される見通し。
引き渡しを受けた海上保安庁の鈴木久泰次長は「監視能力が強化された新型機であり、大いに活躍を期待したい」とあいさつした。
YS11は戦後初の国産旅客機として開発され、海保は洋上パトロール機として5機を1969年から順次運用してきたが、部品調達も難しくなり、Q300に後を譲ることになり、海保のYS11は10年度で全機退役する。