滋賀銀行(大津市)が、財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)の大久保昇理事長と大道良夫頭取との対談記事を掲載した広報誌を「店頭に置くのはふさわしくない」として、回収を始めたことが13日、分かった。
公益法人にもかかわらず多額の利益を上げていたとして、9日に文部科学省が協会に立ち入り検査。協会の不透明な運営が地元企業にまで波紋を広げた形だ。
回収したのは広報誌「かけはし」2月号。対談記事は漢字文化に貢献する協会を紹介する目的で企画、カラー写真付きで4ページにわたり掲載された。頭取の質問に答える形で、理事長が昨年の「今年の漢字」に「変」が選ばれた社会情勢などを話している。
1月末ごろから、一部顧客に郵送、残りを約140の本支店に並べていた。検査翌日の10日、回収を指示したという。
滋賀銀は「協会への疑義で文科省が検査に入り、店頭に置くのはふさわしくないと判断した。推移を見守りたい」と説明している。