大阪府熊取町で2003年に9歳で行方不明になった吉川友梨さん(14)を捜すと偽り、家族から金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われたいずれも無職中谷浩気(39)、川上佳代(38)両被告は13日、大阪地裁堺支部(向井敬二裁判官)の初公判で起訴状の内容を認めた。
検察側は、計画を打ち明けられた川上被告が「あまりにも卑劣だ」と一度は協力を拒んだと明らかにした。
大阪府警は2人が計7000万円をだまし取ったとみて捜査を継続中。この日の公判は、最初に起訴された10万円分だけが対象。中谷被告は別に150万円をだまし取ったとして追起訴されている。
検察側は冒頭陳述で「家族を信用させるために、女性の川上被告が電話し、中谷被告を人捜しのプロだと信じ込ませようとした」と近づいた手口を指摘。いったん断られたが、同じ日に再度電話をかけ「一度だけでも話を聞いてほしい」と言って呼び出した。電話番号はNTTの番号案内で調べ、10万円は野宿生活をしていた2人の宿泊や飲食に使った。
この日、友梨さんの両親も傍聴席に座り、被告の背中に時折厳しい視線を向けていた。
起訴状によると、2人は共謀し04年7月、友梨さんの家族に「監禁された弟を助けてくれた人がいる」と電話。堺市の広場に呼び出し「友梨さんは三重県にいたはず。調べるため10万円もらえますか」とうそをつき、だまし取ったとされる。