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2009年02月13日(金) 07時25分

ペーパー会社、97年設立 汚染米の三笠フーズ元顧問東京新聞

 「三笠フーズ」(大阪市)による汚染米不正転売事件で、元顧問宮崎一雄容疑者(77)=不正競争防止法違反の疑いで逮捕=が米穀店「宮崎商店」の営業権を三笠フーズに譲渡した1997年、ペーパー会社「サン商事」(福岡市)を設立していたことが13日、分かった。

 サンは一連の不正で伝票上の取引に介在して利益を得ていたとされ、大阪、福岡、熊本の3府県警合同捜査本部は、宮崎容疑者が三笠社長冬木三男容疑者(73)=同容疑で逮捕=とともに、97年ごろから伝票を使った不正転売を始めた可能性があるとみている。

 三笠の関係者らによると、宮崎容疑者は約40年前から福岡県で宮崎商店を経営して事故米を取り扱っていたが、97年に事業を停止し、営業権を三笠に譲渡。一方で同年、サン商事を立ち上げた。所在地は自宅マンションで倉庫もなかった。

 同時期に長男の雄三容疑者(49)とともに三笠に入社し、九州事業所長や顧問を務めた。

 宮崎商店は2002年に倒産。冬木容疑者は同商店を買収して事故米買い付け資格を取得し、不正転売が本格的に始まったという。

 捜査本部によると、逮捕容疑となった農薬アセタミプリド汚染米の不正転売では伝票取引で価格がつり上げられ、かかわった4社は計約1億2600万円を売り上げ、合わせて数千万円の利益があった。サンも約200万円の利益を得たとされる。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021301000110.html