大阪府吹田市は１２日、今春採用する正規事務職５人の募集に対し、約５５０倍に当たる２７６８人の応募があったと発表した。年齢制限を定年直前の５９歳以下にしたところ５０代が２１５人で、うち５９歳は１８人。「解雇されたので」といった志望動機もあったという。
市担当者は「経済事情が厳しいのは３０代も５０代も同じ。大事なのは残りの年数よりも豊富な経験」と話している。
同市は当初、２００９年度の職員採用ゼロの予定だったが、雇用情勢の悪化を受けて１０年度分の募集を一部前倒し。１月の臨時職員募集の際には年齢制限の「３５歳以下」より高齢の応募者が多かったため、今回は５０代まで応募可能という異例の対応を取った。
１０日時点の集計で、応募者は３０代が９４９人、４０代が６４４人。阪口善雄市長は「優秀な人材を確保できる」と期待する一方で「厳しい雇用状況を反映しているのでは」と複雑な心境ものぞかせている。