少女にみだらな行為をした容疑で逮捕された際に実名報道され名誉を傷つけられたとして、沖縄県内の公立中学校の男性教諭(36)が、県内の民放3社とNHKに損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)は12日、「上告できる理由に当たらない」などとして、原告の上告を退ける決定をした。教諭敗訴の1、2審判決が確定した。
1、2審判決によると、教諭は2007年3月、女子中学生にみだらな行為をしたとして県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕されたが、11月に起訴猶予となった。
1審那覇地裁は「実名報道は社会的に許容されている」と請求を棄却。2審福岡高裁那覇支部も支持したが、河辺義典裁判長は「逮捕後の経過を報道しない姿勢にも考えるべき点がある」と報道の在り方に異例の付言をし、報道各社に対し、控訴審判決の報道で起訴猶予の事実を盛り込むよう求める“お願い”の文書も配布していた。