2004年の大阪地裁所長襲撃事件で、強盗致傷の非行事実に問われ、「無罪」が確定した当時16歳の兄(21)と14歳の弟(19)が12日、国と大阪府に計約3480万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。
事件は04年2月、大阪市内の路上で地裁所長が襲われ重傷を負い、約6万3000円を奪われた。
大阪府警は兄弟ら5人を逮捕、補導。兄弟は4年以上にわたる5度ずつの審理を経て、「非行事実なし」が確定した。
訴状で、2人は「府警は犯人と決め付け、暴力や暴言で虚偽の自白をさせた。検察も不当に手続きを長期化させた」と主張。代理人弁護士を通じて「捜査機関は間違いを認めて、けじめをつけてほしい」と話した。
事件をめぐっては、児童自立支援施設に送られた当時13歳の少年と、無罪が確定した成人2人が同様の訴訟を起こしているが、国側は全面的に争っている。
大阪家裁は1月、弟に、少年事件補償法に基づく補償金約96万円を支払う決定をしている。