熊本県は12日、休止状態が続いていた水俣病の認定審査会を15日に開催すると発表した。2007年7月以降、約1年7カ月ぶりの再開となる。
与党プロジェクトチームの未認定患者救済策が実現に向け大詰めを迎える中、県として長期間審査をしない状態が続き、新たな訴訟などに発展するのを避けたいとの狙いがあるとみられる。
水俣病の認定をめぐっては、2004年の関西訴訟最高裁判決が行政基準より幅広く被害を認め、司法と行政の“二重基準”が生じたことから、熊本県の審査会委員が相次いで再任を拒否し審査が休止。07年3月にいったん再開されたが、7月以降開かれていない。
認定申請は最高裁判決後に急増。熊本、鹿児島、新潟の3県で新たな申請者が6000人を超え、熊本県では1月末時点で約3750人が審査を待っている。15日の審査対象は50人で、最高裁判決後に申請した人が初めて審査される。