三笠フーズによる汚染米の不正転売事件に絡み、農林水産省大阪農政事務所の元消費流通課長(62)が2005年、非公表だった輸入米の予定価格を三笠側に漏らしたとの情報があり、農水省が調査に乗り出したことが12日、分かった。
農水省は1月下旬、元課長から聞き取りを実施。元課長は「身に覚えのないことだ」と否定したという。
農水省によると、価格漏えいの疑いがあるのは、ミニマムアクセス(最低輸入量)米のうち米粉に加工することを条件に政府が業者に安価で販売するコメで、事故米とは別の種類。
業者は1トン当たりの購入単価を提示し、同省があらかじめ決めた予定価格を上回っていれば随意契約で購入できる仕組み。三笠は05年から06年にかけて、大阪農政事務所に予定価格をわずかに上回る単価を提示して輸入米を購入していた。
予定価格は極秘扱いで、農水省と各地の農政事務所の担当者だけしか知らないとされる。
農水省が調べているのは、元課長が05年10月ごろ、予定価格を記載した文書を三笠の社員に提供、これをもとに三笠が購入単価を提示したとの疑惑。
農水省の井出道雄事務次官は12日の記者会見で「元課長は強く否定していて、漏えいしたかどうかは確認がとれていない。警察当局との情報交換も含め、適切に対処していきたい」と話した。