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2009年02月12日(木) 17時16分

台湾被爆者が手帳申請 交流協会通じ初めて東京新聞

 長崎市の旧長崎医大(現長崎大医学部)に留学中に被爆した台湾の医師王文其さん(90)が、海外での被爆者健康手帳の申請を可能にした改正被爆者援護法に基づき、日本側の対台湾窓口である「交流協会」高雄支部(台湾・高雄市)に申請書を提出したことを、12日までに共同通信に明らかにした。

 昨年12月の改正法施行を受け韓国などで手帳申請が相次いでいるが、日本の在外公館がない台湾での申請は初めて。王さんは長崎県発行の被爆確認証を既に取得しており、今後長崎市が手帳を交付する見通し。

 王さんは高齢のため、三男が代わりに交流協会高雄支部を5日に訪問、申請書類を届けた。

 王さんによると、長崎原爆の爆心地から0・7キロの長崎医大病院で産婦人科医として働いていた時に被爆。終戦翌年に台湾に戻ったため、日本政府による援護を受けられないできた。

 手帳申請について、王さんは台湾の自宅で「ほとんど生存者がいない至近距離で被爆し、これまで生きてこられた『証し』として手帳がほしい」と話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021201000559.html