名古屋市は12日、2009年度の当初予算案を発表した。一般会計は08年度当初比0・7%増の9908億円。松原武久市長の任期満了(4月27日)に伴う「骨格的予算」ながらも、義務的経費の伸びが抑えきれず、08年度を上回る規模となった。
歳入は、市税収入が過去最高額を記録した08年度とは一転し、5・5%減の5千億円を見込んだ。特に法人税は22・1%減の601億円で、バブル崩壊後の1994年度に迫る史上2番目の落ち込み。
この窮状は借金と貯金の取り崩しで賄う。市債発行は6年ぶりに前年度当初を上回り、27・3%増の1024億円で、歳入全体に占める割合は3年ぶりに2けた台の10・3%になった。基金からは08年度当初の5倍強に達する123億円を捻出(ねんしゅつ)する。
歳出の性質別では、生活保護費や障害者自立支援費、子どもの医療費助成などが5−11%増と大幅に増え、義務的経費が1・2%増の5079億円。次期市長の判断に委ねるため大半の「新規事業」は先送り、投資的経費は7・5%減の910億円とした。
新規事業で、児童の放課後対策「子どもプラン」のモデル事業は、一部で理解が得られず、16校中8校は4月開始を先延ばしする。組織改正は、一昨年発覚した「裏金問題」の反省から、抜き打ちで各部局に立ち入り調べる特別監査室を監査事務局に新設する。
特別会計と公営企業会計を合わせた総額は2・1%減の2兆5960億円。
予算、組織改正案は市議会の2月定例会に提出される。
(中日新聞)