バイエル薬品(大阪市)は12日、同社が保有する人の新型万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の作製に関する特許の権利を、米ベンチャー企業の「iZumi Bio」(アイズミバイオ)に譲渡すると発表した。
2007年6月に出願した中心的な国内・国際特許1件と、それを補完する国際特許2件。国内特許は未成立だが、京都大の山中伸弥教授らが成功を発表した同年11月より早い時期の出願のため、権利関係が複雑化するとして行方が注目されていた。
京大の国内特許は昨年成立したが、作製手法や対象範囲が少し違うため、今後の実用化研究に及ぼす影響は不明。京大は「患者利益を最優先に、権利確保に最大限の努力を傾注する」とのコメントを発表した。
アイズミ社は07年、米ファンド2社が米カリフォルニア州に設立。幹細胞を用いた再生医療が主力事業とされる。