東京都八王子市の駅ビルで昨年7月、女性2人が刺されて死傷した無差別殺傷事件で、殺人と殺人未遂などの罪に問われた会社員菅野昭一被告(34)は12日、東京地裁八王子支部(山崎和信裁判長)の初公判で「間違いないです」と起訴事実を認めた。
検察側は「仕事ができずに悩み苦しんだことを両親に思い知らせてやりたいと考え、昨年6月に秋葉原で起きた無差別殺傷事件のような大事件を起こそうと決意した」と動機を指摘した。
検察側冒頭陳述によると、菅野被告は当初、JR八王子駅付近で通行人を物色したが、交番があったため断念し京王八王子駅前に移動。殺害する相手は誰でもよいが、力の弱い若い女性にしようと考えた。しかし人通りが多く、書店の客を狙おうと駅ビルに移動した。
一方、弁護側は冒頭陳述で「簡易鑑定で知的障害や精神発達遅滞が認められ、刑事責任能力は限定的」などと主張した。
計4回の公判前整理手続きで、争点は(1)自首が成立するかどうか(2)刑事責任能力の程度−の2点に絞られた。地裁支部は第2回公判で、弁護側の精神鑑定請求を認めるかどうか判断する予定。