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2009年02月12日(木) 07時02分

大賀容疑者 キヤノン株で4600万円利益 04年9月から半年東京新聞

 大手ゼネコン「鹿島」(東京)が受注した大手精密機器メーカー「キヤノン」(同)の工事をめぐる脱税事件で、大分市のコンサルタント会社「大光」社長大賀規久容疑者(65)=法人税法違反容疑で逮捕=が二〇〇四年九月から〇五年二月にかけて、本人名義でキヤノン株約二十七万株を売買し、計約四千六百万円の利益を得ていたことが関係者の話で分かった。

 大賀容疑者は、隠した法人所得約三十四億円の大半をキヤノン株購入資金に充てていたことが既に明らかになっており、東京地検特捜部は取引の詳しい経緯などについて大賀容疑者から事情を聴く方針。

 また、大賀容疑者が〇四年十二月から〇六年五月にかけて、本人や親族名義を使って同社株四十数万株を買い増していたことも判明。この株の購入には計約二十八億円を投じていたという。

 〇三年十二月には鹿島が受注したキヤノン子会社のデジタルカメラ生産「大分キヤノン」の用地造成工事が始まり、〇五年七月にはプリンター関連生産「大分キヤノンマテリアル」の造成工事を鹿島が落札していた。

 関係者によると、大賀容疑者は一九九六年ごろ、株取引用の証券口座を開設。〇四年八月ごろからキヤノン株の買い付けを始めたとされる。

 他の銘柄も購入したが、大半は同社株だったという。

 大賀容疑者は「遺産相続した金で口座を開設した」などと周囲に話し、キヤノン株購入と脱税事件との関連を否定しているとされるが、相続税の税務申告はしていない。

 特捜部の調べなどによると、大賀容疑者は、大分市内のキヤノン子会社二工場の建設・造成工事などで、鹿島が受注できるよう仲介した謝礼として、鹿島や下請けの「九電工」(福岡)からコンサルタント料を受領。このほか、大阪市のコンサルタント会社社長難波英雄容疑者(61)=同容疑で逮捕=のグループ会社を通じるなどして裏金を受け取ったが、架空経費を計上するなどの手口で十億円前後を脱税した疑いが持たれている。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021290070236.html