キヤノン関連施設工事の受注をめぐる脱税事件で、逮捕された大分市のコンサルタント会社「大光」社長大賀規久容疑者(65)が、工事請け負いを狙っていた鹿島側に「受注させる」と持ち掛け、仲介手数料を要求していた疑いの強いことが12日、関係者の話で分かった。
鹿島は実際に、キヤノン発注の大型工事を相次いで受注。見返りとして、裏金を含む巨額の手数料を支払うようになったとみられ、東京地検特捜部は、こうした資金提供の経緯を調べている。
鹿島は2003年以降、キヤノンから大分市内の2工場や川崎市内の研究施設の建設工事を受注。2工場の用地造成工事も大分県土地開発公社と随意契約した。
関係者によると、大賀容疑者は「手数料を出してくれたら、受注できるようにする」と、口利きする代わりに資金提供を鹿島に要求。鹿島は、大阪市の「浪速コンサルタント」社長難波英雄容疑者(61)を受け皿にして裏金をつくり、通常の仲介手数料に加え、渡していたとされる。
難波容疑者については、大賀容疑者が約20年前から浪速社などの架空領収書を使っていた疑いが浮上している。