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2009年02月12日(木) 00時00分

疲れ・乾き 職場でも和らげたい読売新聞


「パソコンや携帯電話の普及などで、自分でも気づかないうちに目を酷使しているケースが目立ちます」と話す日比野さん(左)(千葉市内で)
目 優先主義

 暖房で乾燥したオフィス、長時間のパソコン作業——。そんな条件が重なって、疲れ目や、目が乾くドライアイに悩む働く女性は多い。何よりも大切なのは、しっかりと目を休め、目の負担を軽くすること。職場でも、目をいたわる環境づくりを心がけたい。(竹之内知宣)

 東京都中央区の女性会社員(38)は、十数年コンタクトレンズをしてきたが、最近は眼鏡に代えて出勤することが増えた。「長い時間パソコン画面を見ていると目が乾き、コンタクトが張り付くような感じがする」というのが理由だ。

 東京都世田谷区の女性会社員(31)は、疲れ目解消のため月1回マッサージに通っている。「仕事中、つい目頭を押さえてしまうようだと、疲れ目のサイン。マッサージで目の周りのツボを押してもらうと、すっきりします」と話す。

 花王(東京)が行った2007年の調査によると、20、30歳代の働く女性は1日平均約7時間、パソコンや携帯電話の液晶画面と向き合っている。また、20歳代の58・2%、30歳代の52・5%が目の疲れを訴えているという。

 千葉市の真清クリニック院長で眼科医の日比野久美子さんは「疲れ目を感じる人の多くが、ドライアイである可能性が高い」と話す。

 ドライアイとは、目の表面を覆っている涙の量が減ったり、涙の成分が変化したりすることで目が乾き、角膜や結膜に傷がつくなどの病気。乾燥した部屋で長時間過ごしたり、パソコンの画面と長く向かい合う過程で瞬きの回数が減ったりすることなどが原因となる。誰にでも起こりうる「目の生活習慣病」だという。

 目やにが出る、目が痛い、重たい、疲れやすい、ゴロゴロするなどの不快感があるようだと要注意。症状のひどい場合は早めに眼科を受診した方がいい。

 日比野さんは「ドライアイの予防のために大切なのは、とにかく目を休めること。仕事でパソコン作業をしなければならない場合は、部屋の空調やパソコンの置き方など、目をいたわる環境整備をしてほしい」と助言する。

 適度な運動や目の周囲にあるツボをゆっくりと指で押すマッサージ、温かい蒸しタオルを閉じたまぶたの上に当てることなども効果的という。

 最近は、就寝時に目の上にかぶせるアイピローも人気だ。温熱効果のあるものや、女性用のかわいいデザインのものも増えている。

 東京都豊島区の東急ハンズ池袋店では、約20種類のアイピローを扱っている。売り場の担当者は「ここ数年売り上げは伸びています。価格帯は500〜1000円台のものが中心。自分用だけではなくて、プレゼント用に購入する女性も目立つようになりました。それだけ、疲れ目に悩んでいる人が増えているのだと思います」と話している。

目をいたわるための職場の環境整備

日比野さんの話を基に作成

 ▽パソコンは、目線よりも画面が下になるように設置する。画面と目の距離は40〜70センチ程度離す。書類と目の距離も、同じ程度離す。

 ▽パソコン作業を続ける場合は、1時間ごとに10分程度の休憩をとる。席で手を休めることができない雰囲気の職場なら、トイレに行くなど身体を動かす。

 ▽乾燥の原因となるエアコンの効き過ぎにも注意。風が顔に直接あたらないようにする。加湿器などで湿度を調整する。

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090212ok05.htm