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2009年02月12日(木) 00時00分

ロレアル—ユネスコ女性科学賞を受賞する小林昭子さん読売新聞

3月にパリで授賞式

 5大陸からそれぞれ1人を選ぶ国際的な賞。英国やブラジルの科学者らとともに栄誉に浴し、3月、パリで授賞式に臨む。

 1種類の分子だけを使い、金属のように電気を通す結晶を初めて作った。不可能とされていた快挙だ。未来の電子素材になると期待できる。

 55歳で東大理学部初の女性教授に。「あきらめず、細々とでも続けることで、働く女性のハンデを克服してきました」。後進に贈る言葉に実感がこもる。徹夜で実験する同僚を横目に、育児のため午後6時には家路についた。助手生活は21年。「科学は男女に隔てなく開かれているけど、女性は仕事を発展させる環境に恵まれない」と話す。

 不遇の時代を支えたのは、同じ化学者で「僕らは同盟軍」と言う夫の速男さん(67)=写真左=。300本以上の共著論文を書き、予算獲得の苦労を分かち合った。食事中も研究の話ばかりで、一人娘がさみしがったこともある。

 現在は日大に夫婦共同の研究室を構える。通勤も一緒、趣味の野鳥観察も一緒。「光ファイバーより速く伝え合っている。頭の中がつながっているんです」(科学部 滝田恭子)

 こばやし・あきこさん 65

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090212ok01.htm