自民党の小泉純一郎元首相は12日、党本部で開いた郵政民営化推進派の会合で、麻生太郎首相の民営化見直し発言を「怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただあきれている。首相の発言に信頼がなければ選挙は戦えない」と強く批判した。
小泉氏は首相が早期成立を求める、定額給付金の財源に関する2008年度第2次補正予算関連法案に関しても「この法案が3分の2を使ってでも成立させなければならない法案だとは思っていない」とし、衆院再議決に慎重な考えを示した。
表だった発言を控えてきた小泉氏の痛烈な首相批判は、党内の「麻生離れ」に拍車をかける可能性があり、国会審議が一段落した段階での「麻生降ろし」につながるとの見方も出ている。
小泉氏は「首相の方針に批判的な意見を若手が出すと、執行部は『後ろから鉄砲を撃つな』と抑え込む。しかし最近の状況は(次期衆院選で)戦おうとしている人たちに首相が前から鉄砲を撃っている」とも指摘した。この日の会合は有志議員でつくる「郵政民営化を堅持し推進する集い」の役員会で、中川秀直、武部勤両元幹事長や小池百合子元防衛相ら計17人が参加。中川氏は「4分社化の見直しは、小泉元首相が実現した完全民営化の見直しにほかならない。全党員にも呼び掛けて郵政民営化を堅持する行動を起こしていかなければならない」と述べ、今後の活動に強い意欲を示した。
小泉氏は、日本郵政の宿泊施設「かんぽの宿」などの一括売却問題に関連し「民間企業が営業しないようなところにあれだけのものをつくり、しかも安い値段で売るという事態が起こるところに官業の問題点がある」として、完全民営化の必要性を強調した。
(2009年2月12日21時37分 スポーツ報知)
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