大相撲春日野部屋の元幕下力士が、結婚詐欺容疑で警視庁高輪署に逮捕されていたことが11日、分かった。逮捕されたのは1985年春場所で廃業した無職・秋本久雄容疑者(43)。1級建築士を語り、デートでリムジンを借りるなどで“セレブ生活”を演出した上で結婚を約束した女性から現金730万円をだまし取った疑い。秋本容疑者は容疑を認めているという。
東京・葛飾区出身の秋本容疑者は中学時代に2年連続で全国大会優勝し、横綱・朝青龍の母校でもある高知の明徳義塾高に相撲留学。鳴り物入りで、春日野部屋入りした。
84年春場所初土俵。同期は、9人が十両以上に昇進。幕内以上に昇進したのは琴錦、旭豪山、湊富士、大至の4人で、出世頭は元関脇・琴錦だ。本名をシコ名に土俵に上がっていた秋本容疑者は84年夏場所で、琴錦と初対戦して勝利。後に2度幕内優勝する名力士にプロ初黒星をつけ、7戦全勝で序ノ口優勝した。
続く名古屋場所でも全勝で序二段優勝。得意の突き押しで、三段目に昇進した翌秋場所までデビュー16連勝をマーク。当時の相撲専門誌では「将来三役以上は間違いなし」と絶賛されていた。
だが、入門早々からトラブルを連発して、最高位の西幕下42枚目となった85年初場所は全休。翌春場所に引退届を出し、土俵を去った。
廃業後、87年に推薦で日大に進学し、相撲部に所属したが、同年8月に自主退学。その後は飲食店従業員やアルバイトをし、定職には就かなかったという。
(2009年2月12日06時02分 スポーツ報知)
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