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2009年02月12日(木) 23時39分

温室ガス削減中期目標「25%減〜6%増」の6案…政府懇談会読売新聞

 政府の「第7回地球温暖化問題に関する懇談会」(奥田碩座長)が12日開かれ、日本が2020年までにどの程度の温室効果ガス削減を目指すかの中期目標について、6案が示された。

 1990年比で「25%減」「6%増」などと幅広い数値となり、「高い目標が必要」とする環境重視派と、「実現可能な目標」を主張する産業界などとの意見の隔たりが表れた形だ。政府は6月までに、6案の中から目標を決める方針だが、調整は難航も予想される。

 懇談会では、懇談会の下に昨秋設置された「中期目標検討委員会」で議論してきた選択肢のうち、この6案を本格検討することを決めた。97年の京都議定書の目標策定では密室協議との批判も出たため、今回はこの6案を基に、必要な対策や影響などの分析を加えたものを4月上旬までに公表して、国民から意見を募る。

 6案のうち、6%増(表中の選択肢1)と4%減(選択肢3)は、経済産業省が昨年、省エネを進めた場合のエネルギー需給や二酸化炭素(CO2)排出量を予測した「長期エネルギー需給見通し」に基づくもの。欧州連合(EU)や米国が掲げる中期目標と同等の費用で対策を進めた場合(選択肢2)に「2%減〜7%増」となったのは、研究機関によって分析が異なるためで、今後、幅を絞り込む。

 残る3案は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が温暖化影響を低減するための最も厳しいシナリオの一つとして示した「先進国が25〜40%減」を基に、先進国全体で25%減とするケースを想定。省エネの進んだ日本は削減に費用がかかるため、各国のCO21トンあたりの削減費用をそろえるなどした。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090212-OYT1T00994.htm