ヒロイン、エミリー役に抜擢されたロザリオ・ドーソン。彼女の素顔も見える独占インタビューは必見!!
■撮影中は日常生活でも役柄を引きずっていた
『7つの贈り物』でエミリーは重い心臓病を患っていて、常に息切れをしているような状態。そのような真実味を伝えられるように慎重に演じたわ。でもその反面、そういう姿を演技とはいえ、病気がちな母に見せることはとても心苦しくて、精神的なチャレンジがとても必要だったのよ。
例えば05年に出演した映画『シンシティ』のような役柄では、衣装を脱いでしまえばすぐ元の自分に戻れた。でもエミリーを演じている間は「これがもし自分だったら」という不安が常に頭の中から離れず、そういう気持ちと闘うことも、とても難しかったわ。
■衝撃と感動の裏側で、撮影秘話は犬がらみ?
エミリーの退院の時、ベン(ウィル・スミス)がエミリーの愛犬であるグレードデンといっしょにクルマで迎えにきてくれる撮影シーンでのこと。ベンが誤って急ブレーキを踏んだので、私は真後ろにいたこのグレートデンから強烈な頭突きを受けて、漫画でいえば頭のまわりにお星様が散ってしまったくらい! なぜって、このグレートデンという犬種はものすごく大きくて頭も硬くて大きい。だから頭突きを受けた瞬間、「これは犬じゃない、馬だ!」と思ったくらいよ(笑)。やっと退院できて大好きな愛犬に会えて「ただいま」というスイートなシーンのはずなのに、頭突きの思い出が強烈ね。
もうひとつ。エミリーが散歩から帰ってきて自宅の前で倒れてしまう撮影シーンでは、25回もティクしたのよ。なぜならエミリーが演技で倒れると、その愛犬のグレートデンが喜んで何度もドーンと彼女の上に乗ってしまう(笑)。だからなかなかいいシーンが取れなかったのよ。
■こんなにすばらしい作品が私に巡ってくるなんて!
このようないい作品だとエミリーのような役は、自分より格上の女優たちに用意される、つまり指定席のように誰が演じるか、決められている場合も少なくない。だから今回は演じることができて本当に嬉しかったわ。
よく演劇では、本番にでる前に「足折ってね」という言葉でエールを送るのよ。これは比喩で「足を折るくらい頑張れ」ということ。まさにこの作品に出演できて、「何本骨を折ってもいい」という気持ちでいっぱいだったわ。
■もしエミリーのような贈り物を自分がもらったら?
きっとうろたえてしまう。このプレゼントは、彼も私も失恋してしまうということにつながるから。そういう意味で非常に重く、どのように扱っていいか困ると思う。この贈り物によって悲しみを背負って生きていかなくてはならないけれど、ベンが正しい人間に正しい贈り物をしたということを考えると、私もエミリーのように、悲劇を悲劇にせず、前を向いて、微笑みながら生きていきたいと思うわ。
■「愛」を一言で語るのは難しいけれど・・・・・・。
愛とは究極に変化するもの。死や悲しみは辛いことだけど、それを乗り越えられるのも愛の力であり、死や悲しみが愛によって希望に変化していく。
一言で「愛」を語ることは難しいけれど、愛は人に力を与えるものでもある。自分自身のことだけではなく、まわりの人に対する心の広さとか、そういうことも愛は教えてくれる。
地球上にある、あらゆる力の中でも愛は一番強いものではないかしら。時には命より重たい愛もあると思うわ。
『7つの贈り物』2009年2月21日(土)より丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/rensai/20090212ok10.htm