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2009年02月12日(木) 10時23分

ネット自殺予告昨年は180件、196人 死亡は7人 警察庁まとめ産経新聞

 昨年1年間に全国の警察が認知したインターネット掲示板などへの自殺予告は、対前年比59件(75人)増の180件(196人)に上ったことが12日、警察庁のまとめで分かった。件数より人数が多いのは、書き込みから派生的に判明した自殺予告については認知件数としてカウントせず、その一方で警察が対応した人数としては計算に加えられているため。インターネット上の自殺予告の統計は今回で3回目。

 予告が認知された196人のうち、実際に10人が自殺を図り、3人を警察官などが救護、7人が死亡した。自殺のおそれがあった92人を警察官が説得。いたずらなど自殺の意図がなかった人が74人いたほか、20人は書き込み者が判明しなかった。

 警察が通報に基づいてプロバイダーに個人情報を照会。自宅を割り出して警察官が駆けつけたところ、多量の薬物を飲んで包丁で自殺を図った書き込み者を発見、救急車で病院へ搬送して救護したほか、集団自殺を呼びかけた書き込み者と誘いに応じた2人の計3人を説得した−といったケースもあった。

 予告手段は電子掲示板への書き込みが112件(121人)、電子メールが60件(67人)、チャットが8件(8人)。警察への通報は、一般のネットユーザーからのものが92件、サイト管理者からのものが47件、警察庁が運営委託しているインターネット・ホットラインセンターが8件、本人によるものが15件だった。

 ネットでの自殺予告の対応をめぐっては平成17年10月にプロバイダーなどの業界団体がガイドラインを作成。警察庁によると、ほとんどの業者が緊急時の個人情報開示に協力しているという。

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