【ワシントン=小川聡】米上院は11日の本会議で、最近まで軍事メーカーのロビイストだったウィリアム・リン元国防次官を国防副長官に起用する人事を賛成多数で承認した。
オバマ大統領は就任直後の先月21日、政権からの「ロビイスト排除」を掲げる大統領令を発表していたが、リン氏は「適用除外」とした。
リン氏は先月まで、軍事メーカー大手のレイセオン社で「連邦政府や議会との連絡」(同社)を担当する副社長としてロビー活動を行っていた。こうした経歴は、過去2年間の活動に関係する政府部門高官への就任を禁止した大統領令の精神に抵触するため、ホワイトハウスは先月下旬、リン氏を適用除外とする旨を議会に書面で通知していた。適用除外の手続きは大統領令に含まれている。
ただ、あまりに早い特例扱いに、「オバマ氏の決定にはがっかりした」(ジョン・マケイン上院議員)などと波紋が広がっていた。投票では、マケイン氏を含む93人が賛成したが、民主党1人を含む4人が反対した。