住宅地・世田谷区で“肩身の狭い思い”をしがちな工場について知ってもらい、住宅との共存の道を探ろうというシンポジウムが12日、区三軒茶屋分庁舎(太子堂2)で開かれる。地元の昭和女子大の学生らが、現場見学の経験をもとに、工場を生かしたまちづくりを提案する。
主催する区によると、区内の工場数は561か所(2005年)。都内の工場全体の約1%に過ぎず、年々減る傾向。マンションの中で操業しているため、住民にほとんど存在を知られていないなどのケースもあるという。
こうした状況を変えようと、同大生活環境学科建築学コースの学生たちが昨年12月、プラスチック製の小型歯車を製造する「アラオカ」(桜新町2)を見学。熟練工たちが戦前からの機械を使って巧みに作業する様子に感銘を受けた。
シンポでは、学生たちが自作の「住宅と工場が共存する理想のまち」の模型を示しながら、ものづくりの現場を見せるショールーム型施設を整備し、工場労働者と地域住民が一緒に子供を見守って遊ばせることを提案する。
区では「工場はものづくりの現場であるだけでなく、街の治安を保つ存在でもある。学生と一緒に考えたい」としている。午後1時半から。入場無料。定員120人(先着順)。問い合わせは区工業・雇用促進課(電)03・3411・6662。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090212-OYT8T00156.htm