人員削減を急ぐ大手企業が、2010年春の新卒採用を大幅に抑制する姿勢を鮮明にした。業績悪化が一段と加速するようなら、求人倍率が1倍を割り込むバブル崩壊後最悪の「氷河期」に突入する可能性もある。
下請けや孫請けも含め雇用能力が高い大手自動車メーカーを中心に抑制を計画。有力素材メーカーや流通大手なども大幅に絞り込む方針だ。
リクルートワークス研究所によると、3月卒業の学生の求人倍率は、企業が積極的に採用した08、09の両年度はともに2倍を超え、売り手市場だった。しかし雇用情勢は急降下的に悪化しており、10年度以降については、バブル崩壊後の最悪だった2000年度の0・99倍を下回る恐れがあると指摘する関係者もいる。
日産自動車は12日、10年春の新卒採用を09年実績の約580人から数十人程度に減らすと明らかにした。ホンダも4割減の890人にする。ホンダの新卒採用が1000人を下回るのは06年春以来、4年ぶりとなる。最大手のトヨタ自動車は方針を明らかにしていないが、減産や経費削減の強化が採用計画に影響するのは避けられないとみられる。